『菊池郡誌』と『菊池市史』の菊池三十三観音
※以下、私見ですのでご参考にとどめておかれてください
菊池三十三観音は33ヶ所の観音堂を巡礼するものですが
・『菊池郡誌』(大正8年発行)
・『菊池市史』(昭和57・61年発行)
上記2つに書かれた札所は全部で38ヶ所、つまり、郡史と市史では10ヶ所の観音堂について、一方にしか書かれておらず、また、その他についても札所番号の大部分が違っています。
菊池郡誌と菊池市史の札所と札所番号が一致しているのは
1番 東福寺
29番 大琳寺
30番 長福寺
31番 汐塚観音堂
32番 道場寺観音堂
33番 横道観音堂
以上6ヶ所だけになります。
他の観音堂については、一方にしか書かれていないか、札所の番号が違うということにまります。(違いはこのページの一番下に表にしています。)
では、私達はどちらを巡礼すれば良いのでしょうか。
『菊池郡誌』『菊池市史』のどちらで巡礼するか?
菊池郡誌と菊池市史、どちらの本にも札所が選ばれた根拠が示されていないので、どちらとも言い難いかと感じます。
当サイトでは以下の項目をもとに考えてみます
・各札所にある掲示物・標柱の番号
・御詠歌がが有るか否か
・新しさを根拠としてみる
各札所にある掲示物・標柱の番号
菊池郡誌・菊池市史に掲載されている38ヶ所を廻ってみると、札所に有る掲示物・標柱には大正8年発行の『菊池郡誌』に書かれた番号で表示されています。菊池市史のみに記載がある札所には札所番号が書いてある標柱や札が有りませんでした。
写真は大柿千手観音堂ですが、標柱に「二番札所 大柿千手観音堂」とかかれています。
大柿(おかき)観音堂は
菊池郡誌では2番札所
菊池市史では10番札所
と記載されています。
芝原観音堂では標柱に「八番札所 四丁分(芝原)」と書かれています。こちらは、菊池郡誌には8番札所となっているものの、菊池市史には記載がありません。
菊池市史に22番札所と書かれている、高島観音堂です。こちらには標柱や掲示物は見当たりませんでした。菊池郡誌には記載がありません。
菊池市史だけに書かれている20番札所 吉祥寺観音堂です。こちらにも札所を示す掲示はありません。
番号が書かれた標柱のように、目に見える形で示されると、巡礼者としてはとてもわかり易く、安心できるのも事実です。また、当然、許可が有って設置されているのでしょうから、『菊池郡誌』の方の順番と観音堂を巡礼する根拠としていいかと思いました。
御詠歌がが有るか否か
御詠歌が書かれている写真は、ある観音堂に置いてあったものです。
「菊池三十三ヶ所観音とその讃歌」として、『菊池市史』の順番で1番から33番札所までの御詠歌が書かれています。
三十三観音で指定された観音堂には御詠歌が有ることが多く、菊池三十三観音で指定されている観音堂にも御詠歌があります。
・『菊池郡誌』 3番12番18番には御詠歌がない
・『菊池市史』 全ての札所に御詠歌が有る
菊池市史には「菊池郡誌に書かれている札所のなかには御詠歌がない札所がある」という感じで書かれていますので、菊池市史を編纂された方は御詠歌が有ることを菊池三十三観音の札所の根拠にされているのかなとも読み取れました。
新しさを根拠としてみる
研究は進むにつれて真実に近づく可能性があります。 昭和の頃の歴史の教科書と現代の歴史の教科書では書かれていることが違うとも聞きます。
発行年を見てみると
・菊池郡誌 大正8年発行(復刻版有り)
・菊池市史 上巻は昭和57年、下巻は昭和61年発行
菊池市史が編纂されるときに、新しい資料によって示された可能性もありますし、その他にも理由があるかも知れませんが、菊池市史のほうに参考にされた資料が書かれていませんので、変更がなされた経緯はわかりませんでした。
参考:三十三観音一覧は菊池郡誌 復刻版のp.369に掲載あり
菊池郡誌・菊池市史のどちらで巡礼するか
当サイト「菊池三十三観音 札所巡礼ガイド」では、『菊池郡誌』に書かれた札所の順番で記載しています。
これは、観音堂の標柱等に掲示してある順番のほうがわかりやすいと感じたからです。また、菊池市史のみに書かれた5ヶ所の観音堂にも訪れています。
巡礼される方によって、考えは変わると思いますので、それぞれが信じられる観音堂へ巡礼されるとよいかと思います。
菊池三十三観音の一覧(相違表)
下記の相違表は、それぞれの札所番号を見ることが出来ます
| 札所名称 | 菊池郡誌 | 菊池市史 |
| 輪足山 東福寺 | 1番 | 1番 |
| 大柿観音堂 | 2番 | 10番 |
| 水浄山 興福寺 | 3番 | |
| 茂藤里観音堂 | 4番 | 11番 |
| 北向山観音堂 | 5番 | 14番 |
| 道園観音堂 | 6番 | 13番 |
| 万永禅寺 | 7番 | 12番 |
| 芝原観音堂 | 8番 | |
| 大宝山 円通寺 | 9番 | 6番 |
| 伊萩観音堂 | 10番 | |
| 妙見観音堂 | 11番 | 5番 |
| 赤星千頭観音堂 | 12番 | |
| 出田観音堂 | 13番 | 27番 |
| 霊鷲山観音堂 | 14番 | 26番 |
| 延命山観音堂 | 15番 | 25番 |
| 西寺観音堂 | 16番 | 24番 |
| 山崎観音堂 | 17番 | 19番 |
| 北福寺 | 18番 | |
| 玉祥寺 | 19番 | 18番 |
| 光九寺跡 | 20番 | 17番 |
| 正観寺 | 21番 | 2番 |
| 宝寿寺 | 22番 | 9番 |
| 大円寺 | 23番 | 15番 |
| 峯泉寺 | 24番 | 8番 |
| 長園寺 | 25番 | 7番 |
| 妙音寺 (今村観音堂) | 26番 | 4番 |
| 北宮観音堂 | 27番 | 28番 |
| 光善寺 | 28番 | 3番 |
| 大琳寺 | 29番 | 29番 |
| 長福寺 (北原観音堂) | 30番 | 30番 |
| 汐塚観音堂 | 31番 | 31番 |
| 道場寺観音堂 | 32番 | 32番 |
| 横道蔵六庵 | 33番 | 33番 |
| 市野瀬観音堂 | 16番 | |
| 吉祥寺観音堂 | 20番 | |
| 高田観音堂 | 21番 | |
| 高島観音堂 | 22番 | |
| 菰入観音堂 | 23番 | |
| 札所名称 | 菊池郡誌 | 菊池市史 |
1番 輪足山 東福寺
2番 大柿観音堂
3番 水浄山 興福寺
4番 茂藤里観音堂
5番 北向山観音堂
6番 道園観音堂
7番 万永禅寺
8番 芝原観音堂
9番 大宝山 円通寺
10番 伊萩観音堂
11番 妙見観音堂
12番 赤星千頭観音堂
13番 出田観音堂
14番 霊鷲山観音堂
15番 延命山観音堂
16番 西寺観音堂
17番 山崎観音堂
18番 北福寺
19番 玉祥寺
20番 光九寺跡
21番 正観寺
22番 宝寿寺(宝壽寺)
23番 大円寺
24番 峯泉寺
25番 長園寺
26番 妙音寺(今村観音堂)
27番 北宮観音堂
28番 光善寺
29番 大琳寺
30番 長福寺(北原観音堂)
31番 汐塚観音堂
32番 道場寺観音堂
33番 横道蔵六庵
市野瀬観音堂
吉祥寺観音堂
高田観音堂
高島観音堂
菰入観音堂